忍者ブログ
柏木隼人(他数名)の雑記帖
[12] [11] [10] [9] [8] [7] [6] [5] [4]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



前日譚。

 
冗談の様な話だが。
俺の出生は不明である。
 
 
 
始まりは22年前雪の日。
駆け落ちの果て、人目を避けて暮らしていたある夫婦がいた。
六条慎太郎と、八代紅花。それが彼らの名だった。
 
ある、吹雪の晩である。
戸を叩く音に慎太郎が扉を開けると、全身をマントとフードに身を包んだ女がそこにいた。
その女の腕には一人の赤子。
女は唯、「この子を宜しくお願いします」とだけ言い残し、慎太郎に赤子を預け、吹雪の中に消えていった。
その時預けられた、生まれて間もない赤子。
…それが俺だった。
 
その後間も無く、夫の死という形でその逃避行は幕を閉じた。
まだ赤子だった俺と、夫婦の実の息子を養う為、妻は意を決して本家へと戻る事となる。
妻は本来の婚約者と結婚させられ、その息子は遠縁の親戚に預けられた。
…実の息子でも無く、その出生すら不明な俺の処遇を巡っては、かなり紛糾した様だった。
その時、長老会議なる古風なその場に不釣り合いな若い男が手を挙げた。
「では。我が家がその子を引き取りましょう。仮初めとはいえ妻の子。であるならば、私が引き取るが筋かと」
その場においては新参ではあるものの、それなりの影響力を持つその男の言葉に反対する声は無かった。
その男の名は九部零次。八代紅花の婚約者、その人である。
新参の家が、厄介事をわざわざ引き受けると言うのだ。反対などある筈もない。
 
―が、唯一人。
その場において最も強い発言力を持つ最長老の老婆が一つだけ、条件を付けた。
 
「良かろう。じゃが…決してその子に名を与えてはならぬ」
『それ』は忌子であると。
名を与えれば九部家のみならず、六家全てに災いをもたらすだろうと、老婆は強く告げた。
 
 
かくして、俺は九部の家で育てられる事となった。
ここまでが、俺の知る事の出来た出自の全てである。
此処からは、俺自身の記憶となる。
物心ついた時には、俺は九部の家で育てられていた。
己の名を与えられぬまま。それがあたりまえの事だと思って。
 
 
 
名を与えられなかったものの、俺は特に不自由なく育てられていた。
二番目の養父となった九部零次は、無口ではあるものの、俺に対しては確かに『父』として接していた。
名前が無い為だったのか、小学校に通う事は出来なかったが十分な教育も与えられた。
書面上、どこかの小学校に通っている事にはされていたらしい。
言葉を交わすことは少なかったが、それは確かに父親としての愛情なのだと思っていた。
 
だが…義理の母であった紅花は違った。
彼女にとって、俺は夫の命を吸った死神にでも見えたのか。
俺を存在しないものとして振る舞っていた。
それは零次に対しても同じだった。
彼女にとっての夫は唯一人であり、零次はその仲を引き裂こうとした男。
それが彼女にとっての認識であり、零次もその『誤解』を解こうとはしなかった。
零次は紅花を唯一度だけ抱いたきり、あとは彼女の望むままにした。
俺もまた彼女が望む様に、彼女に対して母親という感情を向ける事はしなかった。
 
その後、二人の間に生まれた怜がある程度育った後、紅花には離れを与え、その夫婦は以後離れ離れに暮らした。
紅花は怜に対しては母親として接していたが、零次に対して妻として振る舞う事は無かった。
怜は俺に対してよく懐いていたので、俺は兄として怜に接していた。
紅花は複雑な表情ではあったが…それを咎める事はしなかった。
 
怜が小学校に上がる前の頃。紅花は重い病で亡くなった。
数日を経たある晩、俺は零次に呼ばれた。
…彼は、わずか数日で随分と老け込んだかのように見えた。
書斎のソファーで向かい合って座り、零次は昔話を語って聞かせた。
紅花との出会い。それからの付き合い。
生来の不器用者であったのか、元より二人の中は恋仲という訳では無かった様だ。
一方的な恋慕。
当時十歳であった俺が少し気恥ずかしくなる様な思い出話。
その後彼女が駆け落ちした時も、彼女が幸せであるならそれで良いと。
俺を引き取ったのも、本当の子ではないにしろ、せめて一人は彼女の傍に残してやりたいと思っての事らしい。
 
「ああ。…私はね、彼女を本当に愛していたんだ」
その言葉を口にした後、彼はぼろぼろと涙を流した。
だから、すまないと。
俺への愛情は彼女の為のものであったと。そう懺悔の様に言った。
実際は、彼女は俺を息子と思っていなくても。
いつか『彼』の死を受け入れ、四人で家族として暮らせる日の為に。
…結局その願いは、彼女には届かなかった様だが。
 
「すまない。…今の私には、お前が死神に見えてしまう」
かつて老婆が彼に告げた言葉が、今は彼に対しての呪いとなっていた。
俺の存在が九部の家に災いをもたらすと、最長老はかつて彼に告げたらしい。
神秘などの存在を認めて、ありもしない原因を定めるなどあってはならないと。
父親としてあってはならぬ感情だ。許してほしいと。
そう俺に告げ、頭を下げる零次。
…自身の出自については既に聞いていたので、別段何とも思わなかった。
紅花の死に際しても、俺は涙を流す事すら無く、淡々と事実を受け入れていた。
唯、自分はそういうものなのだろうと、受け入れていた。
「なら…僕がこの家を出ましょう」
そう俺が切り出した言葉に、彼は初めは反対したが…やがて同意した。
いつか、自身が憎悪を俺に向けやしないかと。それが何よりも怖いと彼は言った。
「すまない。…私は、お前の本当の父親として在りたかった」
「僕にとっては、貴方は立派なな父親です。だから…」
どうか、怜にとってもそうあって欲しいと。
そんな言葉を残して、俺は部屋を出た。
 
結局の所。零次が俺を遠縁の親戚の家に放逐するという形になった。
その形式は零次自身に対しての戒めだったのか。或いは罰だったのか。
俺は零次と怜が幸せである様にと願いつつ、九部の家を出た。
 
 
 
次に遣られた柏木家は、退魔の家系であった。
神秘を否定し、神秘を憎んでいた零次ではあったが、その存在そのものは彼なりに受け容れていた様だ。
既に能力者と覚醒していた俺にとって、戦う力は確かに必要であった。
「今はまだ準備が整っていないが、いずれその為の組織が用意される。その時まで、ここで己を鍛えると良い」
わざわざ自身で零次は俺を柏木の家へ送り届け、最後にその言葉を残して去って行った。
 
 
 
深い森の中、人里離れた場所に立つ小さな屋敷。
そこで日々を修練に費やし、技量と膂力を高める日々。
それは、俺にとってはそれなりに充実した生活だった。
 
三番目の養父の名は、柏木鷹人。
仙人か老師を連想する風貌の老人であった。
柏木とは、魔を狩るものであると。彼は最初に俺にそう告げた。
故にそうあれと、彼は俺に告げた。
俺はそれをすんなりと受け入れ、戦う力を身に着けていった。
 
 
「あの、貴方の名は何と言うのですか…?」
最初の日の事だった。小さな女の子が、おずおずと俺にそう問いかけてきた。
柏木はやて。二人目の妹となる、鷹人の娘である。
…生憎、俺には名乗る名は無い。
本当はあるのかもしれないが、誰も名を呼ぶことは無かった。
もしかしたら本当に誰一人、自分の名を知らないのかもしれない。
無いのなら仕方がないと、俺はそう思っていた。
なので、答えるべき名を持っていない事を申し訳ないと、彼女に詫びた。
だが、それを告げたとき、彼女がとても悲しそうな顔をしたのを覚えている。
 
…幼い頃、唯の一度だけ名前が欲しいと願ったのが、その時だった。
 
 
「なぁ、オマエさ。将来他になりたいもんとかねーの?何かこう…ほら、夢とかさ」
義兄がふと、そんな事を聞いてきた。
どうしてそんな事を聞くのかと問えば、
「や、だってほら。此処何もねーじゃん? 山から下りりゃそりゃ人里くらいあるけどさー。正直、退屈じゃね?」
娯楽に飢えたりしないのかと、不思議そうに僕を見る。
そうは言っても、今の俺は他に生きる術を知らない。
魔を狩るものたれと言うならば、魔を狩る事こそが己の生きる道なのだろう。
退屈であるという認識は僕には無い。
果たすべき務めが無いのであれば、次の為の研鑽に費やすべきだ。
娯楽などの入る余地のあるものか。
「…何だ、オマエつまんねー奴だなぁ」
義兄はそう、面白く無さそうに答えた。
 
兄弟子にもあたる彼の名こそが、柏木隼人。
俺の名の、本来の持ち主である。
 
 
その翌日だった。
義兄はどこからともなく車を用意してきて、俺と義妹を街へと連れ出した。
始めてみる繁華街や街並みに、俺はそれなりに緊張していた。
「…あのさ、折角無茶やって連れ出して来たんだから。ちったぁ楽しそうにしたらどうよ?」
俺の顔を見て義兄はそう言った。
…楽しいというのは、今一つ良くわからなかった。
だが見るモノ全てが新鮮で…興味が湧いたのは確かだ。
 
「何だ、お前ペンギン気に入ったのか?」
連れてこられた動物園で、初めてペンギンという生き物を見た。
その魚とも鳥ともつかないイキモノは、ただじっと、どこか遠くを見ていた。
…飛べない鳥は、遠い空を見て何を思っているのだろう。
そんなどうでもいい事を考えながら、俺はじっと彼らを見ていた。
するといつの間にか呼んで来たのか、作業服姿の女性を連れてきていた。
「コイツ実は俺のカノジョでさ。で、頼んだらエサあげるのやらしてもいいってさ」
「こんにちわ、弟君達。私は黒崎って言うの。よろしくね」
そう言って俺たちと握手をした後、ペンギンを触らせて貰ったり、エサをあげるのをやらせてもらったりした。
終始妹はむっとしたような顔をしていたが、楽しいひと時を過ごせた。
…多分、自分自身が楽しいと思ったのは、これが初めてだった。
 
 
翌日。当たり前の事だが、義兄は師匠にこっぴどく叱られていた。
何だかとても悪い事をした様な気になったが、師匠は俺や義妹には何も咎めはし無かった。
むしろ、唯感想を聞いて、そうかと答えるだけだった。
 
今になって思えば。
義兄も師匠も、俺と妹に人並みの幸福を与えたいとも思っていたのかもしれない。
 
 
 
深い森の中での四人での暮らし。
それなりに幸せであったであろう生活は、やはり長く続く事は無かった。
 
 
 
それは突然といえば突然の事だった。
ある日、義兄が変わった。
今思えば、それは見えざる狂気だったのだろうか。
初めのうちは義兄自身で抑えきれていたようだったが、それも長くはもたなかった。
そしてついに、義兄は人を殺めてしまった。
 
…当時、鷹人は病に冒されていた。
そうでなければ彼が自ら赴いていただろう。
…いや、彼はそれでもこの様な事態となれば、無理をおしてでも自らの手で事を終わらせようとしただろう。
柏木鷹人とは、そういう人だった。
だが、
「―――最初の仕事だ。あれを止めて来い」
僅かに、ほんの僅かだが逡巡した後、俺にそう命じた。
柏木隼人は能力者として覚醒した。だが…柏木鷹人は能力者ではない。
魔を狩る一派でありながら、能力者であるのは幼い娘ただ一人という矛盾。
…それもあって、能力者であった俺が此処へ連れてこられたのだろう。
初めから解っていた事だ。
俺は黙って頷き、義兄の元へ向かった。
 
 
 
「よう、待ちくたびれたぜ」
義兄はいつもと変わらぬ様に手を挙げて俺に声をかけた。
…探すまでもなかった。義兄は屋敷を出てすぐの場所で俺を待っていた。
「…此処じゃ近すぎるな…。もっと奥でやろうぜ?」
義兄はそう言って森の奥へと進み、俺もまた後を追った。
 
 
「さて、この辺なら邪魔は入らねぇな。…で、どうする。親父に命じられたんだろ?」
オレを殺すのかと、義兄は問う。
問われるまでも無い。
能力者として覚醒し、人を殺すモノになったというのならば―――、
「だけどよ、お前…本気でオレが狂ってるって思うワケ?」
―――そんな事を、義兄は口にした。
「いいか、お前には教えてやる。…あの街には人間じゃあ無ぇもんが棲んでいる。俺は見たんだ。バケモノ連れの人のカタチをしたバケモノが歩いているのを」
そんなもんを見ちまったんだ。殺す他に無ぇだろう?
その言葉で、俺は確信した。
もう、彼は俺の知っている義兄では無くなってしまったのだと。
「なぁ、手ぇ貸してくれよ。オマエと俺が組めばあの街を救えるんだ」
「…そうだな。バケモノは放っておけないな」
そう言って、彼の方へと歩む。
一歩、二歩、三歩。
事も無く彼は俺の接近を許し、俺はその無防備な胸に、隠し持っていた宝剣を突き立てた。
「な……に……?」
茫然と、自分の胸を見る彼に、
「お前は、自分が黒崎さんを殺したって事すら解らなかったのだな」
「は?…てめ…それはどういう…」
「だから、お前はもう…ペンギンの行列を連れた彼女でさえ殺してしまうような、バケモノになってしまったってことさ」
左手から炎の魔弾を放つ。
かつて義兄だったもの…柏木隼人は魔弾の炎に包まれ、あっさりと絶命した。
 
 
あっさりと終わった。
何の躊躇いも無く、何の感慨も無く、俺は迅速に事を済ませた。
こうして義兄の亡骸を前にしても、何の感傷も去来する事は無い。
義理とはいえ、兄弟としての思い出は確かにあった筈なのに。
涙さえ、流すことはなかった。
 
「―――終わったか」
背後からの声に振り返れば、師匠と義妹が来ていた。
義妹は兄の亡骸を見て、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
…そうだな。本当の家族なら、そういうもんだ。
一つ安心した。俺が悲しくないのは、きっとニセモノの家族だったからだ。
彼にはちゃんと、悲しんでくれる者がいる。なら…きっと彼は少しは救われる。
そんな俺を暫く眺めてから、師匠は静かにこう告げた。
 
「―――よくやった。今日からお前が『柏木隼人』だ」
 
それは如何なる意味を持っての宣告だったのか。
師匠が如何なる想いで、自らの息子を殺めた少年に同じ名を与えたのか。
 
『柏木とは魔を狩る者である』
初めに師匠から教わったのがそれだった。
ならば、魔を狩る者たれという事なのだろう。
その時の俺はそう思って、師の言葉に頷いてその場を立ち去った。
 
…今となってはきっとそれは違ったのだろうと思うのだが。
 
 
 
その後、俺は本格的な実戦教育を受ける段階に入った。
尤も、ここまで至ってしまえば鷹人が教えられない域も含まれる為、半分程は古文書を漁っての独学となったが。
…俺が柏木隼人を名乗る様になってから、はやての俺への態度も変わった。
無理もない。仕方が無かったとはいえ、実の兄を討った男が、実の兄の名を騙っているのだから。
それでも俺は、可能な限り彼女の兄であろうとした。
だが…それも長くは続かなかった。
ある日、はやてが家を出た。
鷹人が言うには、古い知人の元へ行ったというが。
 
…また一つ。俺は家族を壊したのか。
やはり俺は災いをもたらす存在なのか。
 
俺は柏木の家を出る事にした。
鷹人の病は気がかりだが…彼には最近、世話を焼きにくる少女がいる。
だから大丈夫だろうと自分に言い聞かせて、俺は置手紙を残してその家を去った。
 
 
それから数年は、全国を巡ってゴースト事件を解決して回っていた。
独りで出来る事には限りがあるが、幸か不幸か、ゴーストは能力者を狙う傾向にある。
なら、自分自身を囮とする手もある。
 
能力者に目覚めたばかりの少年を助けた事もある。
俺の様になりたいと、そう彼は言った。
…彼が憧れる様な、綺麗なもんじゃない。
そう思ったが、俺は唯「そうか」と口にするだけに留めた。
…彼とはまた後に再開する事になるが、これはまた後で語る事としよう。
 
守りきれず、助けられなかった事もある。
姉の亡骸に縋りつき、泣きわめく栗色の髪の少女の様子を、俺は離れた場所から見ていた。
詫びてどうにかなるものでもない。
俺に出来る事は、彼女の姉を討ったゴーストを狩る事のみ。
そう思って、俺は黙ってその場を去った。
…彼女ともまた、後に再開する事となるのであるが。
 
北は北海道、南は九州まで。各地をあても無く巡り続けた。
日々ゴーストを狩る事が、俺の在り方の意味だと信じて。
 
 
 
「や。久しぶり―元気してた?」
ある日。唐突に赤い女と出会った。
彼女が鷹人の世話を焼きに来ていた少女だと思い出すには、少し時間がかかったが。
どうやって俺を見つけたのかは謎だったが、彼女が言うには、鷹人が危篤状態との事だった。
俺は急ぎ、柏木の家へと向かった。
 
幸いにして、彼はまだ存命だった。
はやては…残念ながら、連絡がつかないとの事だった。
「―――ああ隼人、お前か」
鷹人は細い声で俺の名を呼んだ。
…或いは、本当の隼人を幻視したのかと思ったが。
「すまんな。お前には他の生き方もあっただろうに」
そうなのだろうか。生憎と、俺は他の生き方など思いつかない。
唯生まれ持った能力を以って、誰かの為の剣であれば良いと。
…俺が不幸にした三つの家族に報いる方法を、他に思いつきはしなかった。
そんな俺の心境を知ってか知らずか、じっと俺の顔を見つめていた鷹人は、
 
「柏木隼人よ。―お前は破門だ。好きに名乗り、望むまま勝手に生きるがいい」
 
最期に、そんな言葉を強く告げ、息を引き取った。
 
暫く二人きりにして欲しいと、赤い女に言われて俺は部屋を出た。
襖を閉じると、部屋の中からは微かに嗚咽の声が聞こえてきた。
…一方で、やはりまた俺は泣く事は無いようだ。
心は凪いでいる。悲しいとも思わない。
きっとそういうモノを持ち合わせていないのだろうと思い、俺は屋敷を出る。
 
…外には、九部零次が俺を待っていた。
「久しぶりだな。…隼人」
そう俺の名を呼び、彼は一つの封筒を手渡してきた。
封筒には『銀誓館学園 入学書類』と書かれていた。
「漸く準備が整った。必要な書類は全てそれに入っている。…お前はそこへ行け」
それはゴーストと戦う者を育てる場であり、ゴーストの脅威から人々を守る組織であるという。
「…それと、怜を頼む。やはり私は、良い父親にはなれなかったようだ」
それだけを言って、彼は俺を柏木の家へと連れてきた時の様に去って行った。
 
 
 
かくして、俺は銀誓館学園へと入学する事となった。
その身に抱いたからっぽな何かを隠したままに。
PR



コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
注意
ここで使われているイラストは、背後本人が描いたものを除き、株式会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』[『サイキックハーツ』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。イラストの使用権は作品を発注した背後に、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
柏木隼人
性別:
非公開
自己紹介:
・柏木隼人
・鉤鷲紅太郎
・九部怜
・レムリア・ローゼンクロイツ
…の、雑記帖。
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者ブログ [PR]